第一回 増税ラッシュと給与計算対応
はじめまして。鈴与シンワートで人事給与業務総合ソフトウェアパッケージの販売・保守営業をしております、中村和史です。
縁あって「社労士勉強中営業マンの初心者コラム」を連載することとなりました。どうぞ宜しくお願いいたします。このコラムでは、社会保険労務士を目指す方、これから労務関係の業務に携わる方向けに、人事部様と会話する機会の多い人事給与ソフトウェアパッケージ専門で営業をする私が、年間200件を超える見積経験を生かし、身近なテーマで法改正や社内制度改正に対する見解を社員・従業員目線で書いていきます。至らぬ表記ございましたら随時ご指摘頂けますと幸いです。
初回となるテーマとして、最近よく耳にする増税ラッシュ、給与計算に影響のある範囲をピックアップしつつ、お客様から問い合わせを頂いた復興増税、特に個人に影響のある消費増税も含めて考えました。
¨¨¨¨¨¨¨¨¨¨¨¨¨¨¨¨¨¨¨¨¨¨¨¨¨¨¨¨¨¨¨¨¨¨¨
「復興増税における給与計算業務への影響について」
¨¨¨¨¨¨¨¨¨¨¨¨¨¨¨¨¨¨¨¨¨¨¨¨¨¨¨¨¨¨¨¨¨¨
先日お客様より、現在弊社が提供している給与システムについて、復興増税対応が問題ないか連絡がございました。
住民税については通知データ取込処理、所得税についても所得税率マスターにて歴管理出来る為、製品は難なく対応しており、給与計算業務に影響なくサービスを提供できます。
この復興増税、詳しくはどういった内容か改めて調べてみることにします。
¨¨¨¨¨¨¨¨¨¨¨¨¨¨¨¨¨¨¨¨¨¨¨¨¨¨¨¨¨¨¨¨¨¨¨
「増税となる所得税・住民税」
¨¨¨¨¨¨¨¨¨¨¨¨¨¨¨¨¨¨¨¨¨¨¨¨¨¨¨¨¨¨¨¨¨¨
復興増税での増税対象には、所得税・住民税とあります。
所得税については定率増税2.1%を2013年1月より25年間実施、住民税については2014年6月から10年間、年間1000円の均等割を実施します。
(日経BPnetより)
■住民税について
昨年度の1月から12月までの所得に応じて課税される「所得割」と、上記のように一律で課税される「均等割」があり、毎年6月に各市区町村からの税額通知書が送付されます。だいたいの社会人2年目が始めて住民税を控除されるのがこの6月給料からで、年度昇給と変わらない住民税控除額にショックを受けた記憶があります。
■所得税について
年間所得400万の子供なしサラリーマンにおける、年間を通した所得税の影響度を計算してみました。
平成23年度の場合、(4,000,000×20%)-427,500=372,500円にたいして、2,1%増額した平成24年度の場合、(4,000,000×22.1%)-427,500=456,500円、差額なんと84,000円となりました。
住民税が年間1000円追加としても、年間85,000円の増税対応となります。
¨¨¨¨¨¨¨¨¨¨¨¨¨¨¨¨¨¨¨¨¨¨¨¨¨¨¨¨¨¨¨¨¨¨¨
「消費増税となる今後について」
¨¨¨¨¨¨¨¨¨¨¨¨¨¨¨¨¨¨¨¨¨¨¨¨¨¨¨¨¨¨¨¨¨¨
一方、消費増税についても5%から8~10%の段階増税が検討されます。
家計を全て嫁に託している私は、月30,000円のお小遣いで生活しておりますが、仮に10%の消費税となった場合、単純計算するとお小遣いのうち月1,500円が増税となります。月間ビール3杯減らすことになりそうですね。悲しい限りです。
増税が続く事で消費欲低下が発生し、経済低迷に繋がるとの見解もあるそうですが、被災地への復興の為の増税もしかり、昨年の自粛モードでないお花見ムードしかり、今年こそ明るい話題が多く続く日本になれば問題ないと、ポジティブに考えてしまう営業マンです。
「社労士勉強中営業マンの初心者コラム」は毎週水曜更新予定です。
次回テーマは「退職金制度、ポイント管理しなければならない!?」をお届けします。
中村プロフィール
関東を中心に労務管理統合ソフトウェアパッケージ STAFFBRAIN専任の営業として、6年間70社を超えるお客様に法改正・社内制度改正における仕様変更対応、保守サポートを行う。人事総務部様の現場の声に答えるべく、社内の先輩方に多大な協力をいただき、悪戦苦闘しながら仕事を乗り越えていく日々が続く。現在は部下も出来、多くの作業を引き継ぐことが出来た今、業務に影響がないよう社会保険労務士の資格を勉強しながら、あるべき人事戦略、システム管理をめざす人事総務部様向けに役立つ情報が提供出来るコラムを提供予定。仕事と並行して社会保険労務士の資格取得を目指す方にも見て頂きたい。
鈴与シンワート株式会社 営業部 主任 | |
人事給与パッケージ専門営業の経験を生かして社労士取得の勉強中。「この営業マンがすごい」と呼ばれるまで日々努力! 人事部様と会話する機会の多い人事給与ソフトウェアパッケージ専門で営業をする私が、年間200件を超える見積経験を生かし、身近なテーマで法改正や社内制度改正に対する見解を社員・従業員目線で書いていきます。 |
専門家コラムナンバー
- 競業避止義務の世界的傾向を探る! (2024-10-11)
- 第126回 社会保険の適用拡大 (2024-09-13)
- チャレンジングな時代のスマートな人材ソリューション (2024-09-13)
- 結束力のある多国籍チームを育成するための戦略 (2024-09-11)
- 第125回 所定外労働と法定時間外労働の違い (2024-08-05)