「給与計算代行」とは
「選択と集中」を実現するためのアウトソーシング
企業を取り巻く環境が変化のスピードを増している現代。「選択と集中」がますます求められている。無駄な経費を削ることは重要だが、同時に人材や時間といったリソースを本当に必要な部門に集中できているかどうかも十分に検討しなくてはならない。そんな現代の企業にとって、欠かせないサービスとなりつつあるのが「人事給与業務の戦略的アウトソーシング」=「給与計算代行」だ。
「給与計算代行」とは、文字通り従業員の給与計算や年末調整、さらにはそれらに付帯する事務業務全般を受託するアウトソーシングサービスのこと。
では、給与計算のアウトソーシングは企業にどのようなメリットをもたらすのだろうか。
トータルコストの削減
もっとも基本的なものは「コストダウン」だろう。給与計算代行会社は大量の業務をまとめて処理することで、スケールメリットによる単価の低減を実現している。注意したいのは、この場合の「コスト」は給与計算を自社内で行う場合に発生する「すべてのコスト」と比較して考える必要があるということだ。
給与計算のコストというと、まず人事担当者の人件費があげられる。自社内で処理を行っている場合にはコンピュータシステムの購入・開発費、さらには運用・保守にかかる費用が必要になる。もちろんシステム管理者の人件費も発生する。
また、労務関連法規や制度は毎年のように改定されるので、人事担当や法務担当に対する教育・講習なども不可欠だ。さらに給与は毎月支払うものなので、仮に担当者が退職しても業務に穴を空けられない。つまり常に後任人材を育成しスタンバイさせておかなければならない。もちろん専門知識を持つ経験者を中途採用するという選択肢もあるが、その場合にも人材のレベルに応じて採用コストが発生する。
他にも、繁忙期である年末調整の時期などには、一時的なスタッフの増員などが必要になることもあるだろう。
アウトソーシングは、こうした普段目に見えないコストまで含めたトータルコストを削減してくれるサービスと捉えるべきだ。
コア業務への集中
同時に、これまで定型業務に割かざるをえなかった人材や時間といった貴重なリソースをコア業務に振り向けることができる効果も生む。「選択と集中」が改めて意識されている現代においては、むしろこの面での効果に注目したことがアウトソーシング導入のきっかけになったという企業も多い。