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「給与計算代行」サービスの種類

給与計算代行会社は、企業が何を望んでいるかによってさまざまなパターンのサービスを提供している。もっともベーシックな給与計算サービスから人事業務全般を代行するサービスまであるが、大きく分けると次の3パターンのいずれかを選ぶことになる。

1)給与計算・年末調整(委託レベル:低

計算の基礎になる確定データを渡し、給与計算、賞与計算、住民税計算、社会保険計算、年末調整、明細書印刷、金融機関へのデータ送付…などのサービス。基本的に「計算」の部分のみなので、勤怠管理や社員情報に関する各種申請などの業務は人事部が行うことになる。このレベルで企業の給与関連業務の4~5割程度が削減可能となる。

【どんな企業に効果的か】
・給与計算のコストダウンを図りたい
・給与計算部門の人員を削減したい
・社内に給与システムを持ちたくない

2)人事データベース管理(委託レベル:中

給与計算に加えて、人事規程に基づいた人事データベースの管理までのサービス。入社や異動、昇進・昇格、転居などに伴う給与や手当、税金、社会保険の変動など、すべて給与計算代行会社が処理する。従業員の勤怠管理システムもASPによって提供しているケースが多い。人事の従業員に対する業務は「例外的なケースへの対応」のみになる。このレベルで企業の給与関連業務の6~7割程度が削減可能となる。

【どんな企業に効果的か】
・給与計算を含む人事部門全体のコストダウン、人員削減を図りたい
・社内に人事システムを持ちたくない
・法令や制度改定への対応もアウトソーシングしたい

3)人事業務代行(委託レベル:高

給与計算、人事データベース管理に加えて従業員への対応業務も含むサービス。申請書類の送付や回収、督促や従業員からの問い合わせへの対応なども、すべて給与計算代行会社が行う。専用のコールセンターを設けていることも多い。人事の仕事は給与計算代行会社のコントロール業務(ベンダー管理)が中心となる。このレベルで企業の給与関連業務の8~9割程度が削減可能となる。

【どんな企業に効果的か】
・給与関連業務をすべてアウトソーシングし、コストダウンや人員削減を図りたい
・定型業務をなくし、人事はコア業務に集中したい
・全国に拠点展開している
・従業員数が多い
・人事システムを持ちたくない
・内部統制やセキュリティーにも万全を期したい
■サービスの種類と委託レベル
サービスの種類 どんな企業に効果的か
3)人事業務代行
2)人事データベース管理
  • 給与計算を含む人事部門全体のコストダウン、人員削減を図りたい
  • 社内に人事システムを持ちたくない
  • 法令や制度改定への対応もアウトソーシングしたい
1)給与計算・年末調整
  • 給与計算のコストダウンを図りたい
  • 給与計算部門の人員を削減したい
  • 社内に給与システムを持ちたくない

この他に、付帯サービスとして従業員の利便性を高める「給与明細のネット照会機能」「各種オンライン申請機能」などを提供している代行会社もある。一般的にアウトソーシングというと効率化ばかりが注目されがちだが、従業員へのサービス向上という視点からの導入も十分にありえるだろう。

また、アウトソーシングを行うことで、代行会社が持つ専門的な業務知識を社内に吸収し、自社の業務レベルを上げることを目的とした利用法も考えられる。

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企画・編集:『日本の人事部』編集部

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