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インタビュー
三菱総研DCS株式会社・猪野厚志HRソリューション事業部長に聞く

銀行系給与計算代行の代表的存在
フルアウトソーシングにも対応する多彩なソリューション

給与計算代行サービスを提供する企業の中でも、比較的長い歴史を持つのが「銀行系」といわれる各社。まだ一般の企業にコンピュータがあまり普及していなかった1960年代から、さまざまな計算業務を受託してきた銀行のシステム部門を母体としている。そうした銀行系各社の中でも、現在約2000社、41万人分の給与計算や人事業務を代行し、代表的な存在となっているのが三菱総研DCSだ。社名からも分かるように、株主は三菱総合研究所と三菱UFJフィナンシャル・グループ。もともと強いIT技術と40年間の実績で積み上げた人事ノウハウでフルアウトソーシングにも対応し、その業務品質を高く評価する声は多い。

※記事の内容は掲載時点(2010年9月1日)のものになります。

1970年設立。目指してきたのは安心して長く利用できるアウトソーシング

---まずは「銀行系」給与計算代行会社である御社の特色、強みについてお教えいただけますか。

三菱総研DCS株式会社・猪野厚志HRソリューション事業部長当社は1970年に三菱銀行(当時)の受託計算部門が独立する形でスタートしました。前身から通算すると40年以上の歴史があることになります。当社の強みは、この豊富な実績とそれによって蓄積されたノウハウです。同時に、銀行という直接お金を扱うグループの一員ですから、計算結果である給与データの正確性にはシビアです。結果的に「安心して任せられる」という評価をいただき、長期にわたる取引が多いのも特徴だと思います。

1990年代からより踏み込んだアウトソーシングを求める企業に対応して、徐々にサービスの範囲を広げてきました。現在では、それぞれの企業の求めるレベルにあわせて、給与計算システムを利用してもらうだけのシンプルなサービス、年末調整や地方税への対応といった繁忙期をサポートするスポットアウトソーシング、そして人事定例業務すべてを請け負うフルアウトソーシング…と豊富なソリューションを提供しています。特に近年になるほど、フルアウトソーシングでの利用が増えており、今では全体の約3割を占めています。

---大企業や特定の業種だけでなくあらゆる規模、業種の企業にサービスを提供されているとお聞きしました。

当社は、現在約2000社、41万人の給与計算を受託しています。単純に計算しますと一社当たり200人強…ということになります。実際には数万人規模の大企業もあれば、わずか数人という企業もあるのですが、このようにあらゆる規模の企業でご活用いただいている給与計算代行というのは、実はかなり珍しいと思っています。たしかにフルアウトソーシングなどは、一定の規模がないとコスト面でのメリットが出にくくなります。しかし、「給与の専門人材をどう確保しようか」とか「法令や制度改定への対応が大変」「システムの運用・保守が負担」…といった悩みを持っている企業は、規模や業種に関係なくとても多いのです。

システムは自社開発。万全なセキュリティー

---御社の給与人事サービス「PROSRV」はシステムをすべて自社開発されているそうですね。

三菱総研DCS株式会社・猪野厚志HRソリューション事業部長前身が銀行のシステム部門であり、システムインテグレーター事業も手掛けてきましたので、IT分野での技術力には自信を持っています。「PROSRV」(プロサーブ)の給与計算プログラムなど主要システムはすべて自社開発です。自社開発のメリットは、「きめ細やかさ」と「スピード」ではないでしょうか。40年間、多くの企業の人事部門の方々と一緒に仕事をしてきたからこそ得られたさまざまなノウハウが当社のシステムには詰め込まれています。たとえば、給与データを確定する前段階の「仮処理」。この際に各社共通のチェックに加え、お客様独自のチェックを行うことにより運用負荷の削減を図ることが可能です。もちろん仮処理は回数無制限で可能です。

---ITに強いことのメリットとしては他にどういったことがありますか。

個人情報を扱う企業としてセキュリティーには万全を期しています。システムそのもののセキュリティーにも銀行並みの堅牢性を持たせていますが、さらに業務プロセス、内部統制の面でも「ISMS認証(Ver.2.0)」「日本版SAS70 TypeII(日本公認会計士協会の監査基準委員会第18号報告書)」「ISO9001」「プライバシーマーク」などを取得しています。

顧客企業の業務フローにあわせたサービスへと進化中

---現在、力を入れている取り組みやその事例についてお聞かせ下さい。

現在は、これまでアウトソーシングによる効率化が図りにくかった業種や組織にも対応できる提案に力を入れています。一例として、ある大規模病院様での導入事例をご紹介します。

病院人事特有の課題(看護師の入退職が多く人材の確保が大変、勤務形態の種類が多くシフト管理や勤務実績管理が複雑等)を解決するため、人事部門のルーティンワークを徹底的に削減するシステムを提案しました。具体的な機能としては、入職が決まった方に内定者用Webサイトを公開。内定者が自宅から自分のプロフィールを申請したり、病院が内定者に対して、お知らせを発信したりすることができます。これにより人事部門の入力負荷を大幅に軽減するとともに、内定者を囲い込む効果も得ることができました。また、一人一台のPC環境がないケースへの対応として、携帯電話を使って勤務報告ができる仕組みもご提供しています。

従来の給与業務アウトソーシングに、このような機能をシステムとして追加することによって、現場の利便性と人事部門の負荷軽減を両立させ、高いご評価をいただいております。今後もこれらのノウハウを多くのお客様にご提供できるよう、一つひとつ丁寧に実績を積み重ねていきたいと思います。

---業種・業態や規模にとらわれず最適のサービスを提案される御社の姿勢がとてもよく理解できました。ありがとうございました。

三菱総研DCS株式会社・猪野厚志HRソリューション事業部長

企業データ

社名 三菱総研DCS株式会社
本社所在地 〒140-8506
東京都品川区東品川四丁目12番2号
品川シーサイドウエストタワー
事業内容
  1. ソフトウェア開発とコンサルティング
  2. 各種事務計算等情報処理サービス
  3. アウトソーシングサービス
  4. 情報通信サービス・データサービス
  5. コンピュータシステムの販売
  6. コンピュータ要員の教育・研修業務
設立 1970年7月
代表者名 代表取締役社長 木村高志

会社情報 サービス情報 導入事例

企画・編集:『日本の人事部』編集部

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