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労働時間の適正把握投稿日:2006/08/28 17:47 ID:QA-0005843 |
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タイムレコーダーを使い労働時間を把握し給与計算を行っております。打刻するタイミングが社員によって様々なため不公平感が発生しております。労働時間の開始と終了を打刻する指導をしたいのですが、適正労働時間はどの範囲を指すのでしょうか?例えば着替える前か後かなど。 |
*****さん
神奈川県
その他メーカー(301~500人)
回答数:2件 カテゴリ:報酬・賃金
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お答えいたします服部 康一 /服部賃金労務サポートオフィス代表 |
労働者が行う行為につきまして、「労働時間」とみなすかどうかに関する基本的な考え方は以下の通りです。 ・業務を行う上で必要不可欠な行為であるか ・使用者の指揮命令に基いて行われる行為であるか こうした条件に照らし合わせてみますと、例えば会社で着用を義務付けられた制服・作業服等の着脱に関しましては、作業の準備時間や後片付・清掃の時間等と同様、通常「労働時間」に含まれると解釈されます。 (※この点につきましては、労働判例上でも確立されています。) 従いまして、「労働時間」に関しては、直接の業務以外も含めた広い概念で考えられることになります。 但し、上記のような業務に付随する行為につきまして通常の勤務時間外で行わせる場合、労働者に任意な処理をさせますといわゆる「ダラダラ残業」が増えることにもなりかねませんので、それぞれに適切な基準となる時間を規定しておき、それを著しく超える場合は原則として労働時間と認めないといったルールを定めておくことが望ましいでしょう。 投稿日:2006/08/28 20:22 |
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レコーダー打刻時間と実労働時間の調整川勝 民雄 /川勝研究所 代表者 |
■民事法上では、労働時間の開始は、当事者間の決め事になります。始業時間を「タイムレコーダーの打刻時点」と決めれば、そのときまだ実際には仕事に着手していなかったとしても、労働時間の開始となります。終了についても同様です。 ■それに対して、労働法上での労働時間は、当事者の指揮命令下にあるか否かで判断されます。その労働時間の把握・算定は使用者の義務とされますが、多くの場合、御社と同様、レコーダーの打刻時点と労働時間の関係は明確に規定されていません。 ■ご引用の<適正労働時間>も、「執務の開始・終了」と「使用者による拘束の開始・終了」の解釈により、実際の時間は違ってきます。例えば、着替え時間は前者では排除され、後者では算入されるなどのケースです。この点については、どちらが正しいということではなく、労使で合意できれば、いずれのケースでも有効な<適正労働時間>となります。このような「タイムラグ」は割合容易に解決できると思います。 ■問題は、一時に打刻を求める多数の社員とレコーダー能力の不足で生じる、待ち時間や、個人的雑用で徒過される時間など、明らかに執務と関係のない「タイムラグ」です。このために起きる社員間の不公平感を消すことはできません。 ■判例は多くありませんが、「所定の労働時間の直後にタイムカードが打刻されていれば、事実上の労働時間は所定の終業時刻までだと推定され、その時間差はおおむね20分」とか、「タイムカードが終業時刻後相当遅くなって打刻されているような場合は、その時間は仕事以外のことをしていたと使用者が立証できないならば、タイムカード打刻時刻近くまで労働していたものと取り扱わなければならない」とかいったところであまり役にはたちません。 ■ご検討中のように、「労働時間の開始と終了を、<遅滞なく、例えば10分以内に>打刻するよう指導」された上で、打刻時刻を、遅刻、早退などのノーワーク時間の賃金控除にも適用するよう、本関連問題をセットで規定化、周知の上、実施されるのが好ましい選択だと考えます。 投稿日:2006/08/29 11:05 |