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「給与計算」の注目ニュース

中国 相次ぐ人員削減、河北の鉄鋼企業

[2015.12.03]

河北省の鉄鋼企業に人員削減の波が押し寄せているようだ。一部企業が従業員の3分の1以上を削減したとの情報があるほか、資金繰りの悪化などを理由に多くの製鉄所が生産停止に踏み切っている。

1日付界面が伝えた。業界サイトの卓創資訊のアナリストによると、河北省の石家荘市、邯鄲市、武安市などでは半分以上の製鉄所が10~30%の、一部が3分の1以上の従業員を削減したという。「かつてないリストラブーム。ここまで状況が悪化するとは想像もしなかった」と同アナリストは話す。

鉄鋼企業18社が立地する武安市の製鉄所に勤める30代半ばのある従業員も、人員削減の波に飲み込まれた1人。この十数日間は出勤していない。上司からは仕事がある時は招集するので、自宅で休むよう言われた。労働関係は正式に解除していないが、給料は支払われなくなった。自ら離職を決め、新たに職探しを始めた従業員もいるという。

 

■最大の経営危機

武安市では中小の鉄鋼企業が相次いで人員削減に動いている。キン匯鋼鉄(キンは金の下に金2つを並べる)は10月、「重大な損失を出し、会社は2000年の設立以来最大の危機に面している」として、2,000人余りいる従業員の15~20%を削減することを明らかにした。同じく武安市の河北文豊鋼鉄は5,300人余りの従業員のうち、10%を削減したという。

河北省唐山市では全面的に生産停止に踏み切った製鉄所が十数カ所に上るとみられている。

期貨日報によると、年間に鉄約500万トンを生産する松汀鋼鉄は11月中旬、生産停止を宣言し、従業員を帰宅させた。電気使用料を支払えず、電力供給が止まったのが生産停止の理由だった。今年1~9月の赤字額は4億7,400万元(約91億1,000万円)に上った。

興華財富集団の陳茂春董事長は、鉄鋼業界は生産量、需要、価格が低く、負債比率、資金調達コスト、環境保護圧力が高い「三低三高」に直面しているとし、それが減産や生産停止の原因になっていると指摘した。

 

■企業数大幅減か

鉄鋼企業が苦しい経営を強いられる中、業界内では企業間の合併・買収(M&A)が進むとの見方がある。卓創資訊のアナリストは「現在2,460社に上る中国の鉄鋼企業は将来的にM&Aなどで300社まで減少する」との見通しを示す。

一方、中国聯合鋼鉄網の胡艶平編集長が「多くの鉄鋼企業が資金繰りに窮しており、買収に充てるような資金はない」と話すように、短期間に大規模なM&Aが行われる可能性は低いとの見方もある。

鉄鋼業界の電子商取引(EC)企業、北京蘭格電子商務の宋春雷副総経理は「鉄鋼業界にとって冬の時代は3~5年は続くとみられる。人員削減によるコスト減は根本的な問題解決にはつながらず、新たな事業モデルを構築しなければならない」と指摘した。

 

[本件に関するお問い合わせ]

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「The Daily NNA労務・人事・安全ニュース」
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(The Daily NNA労務・人事・安全ニュース http://news.nna.jp/ /12月3日号より転載)

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