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賞与(ボーナス)
[ショウヨ ボーナス]

「賞与(ボーナス)」は、一般的には企業が多くの利益を上げたときに、従業員にその利益を還元するために支払われる一時金のことを意味します。「いい」という意味をもつラテン語の「ボヌス」から派生した「ボーナス(bonus)」ですが、「パートタイム労働者には賞与を支給しない、もしくは非常に少額」という企業が多いのが現状でしょう。しかし、同一労働同一賃金制度がはじまる2020年4月からは、正社員と同一の労働をしている場合、このような待遇の相違は許されなくなりました。企業には、賞与という制度をいま一度見直すことが求められています。

1. 賞与(ボーナス)とは?

「賞与」とは、従業員に企業の利益を還元するために支払われる一時金のことです。法律的には、「賃金、給料、俸給、手当、賞与その他いかなる名称であるかを問わず、労働者が、労働の対償として受けるすべてのもののうち、三月を超える期間ごとに受けるものをいう」(健康保険法第三条, 6)とされています。

欧米と日本では、賞与に対するイメージが異なります。欧米では、抜きんでた業績をあげた人に特別に支給される一時金というイメージが強いのに対し、日本では変動するものの、定期的に与えられる給与の一つというイメージが強いようです。

日本では「毎年夏と冬の2回、月給の何ヵ月分を支給する」としている企業が多く存在します。多くの人が「ボーナス払い」をあてにしてローンを組むことができるのも、ボーナスが安定かつ定期的にもらえることを前提としているからといえるでしょう。

では、給与と賞与の違いはどこにあるのでしょうか。

賞与(ボーナス)と給与の違い~賞与は必ず支払わなくてはならないものではない~

給与は必ず支払わなくてはなりませんが、賞与はそうではありません。また、給与と同様に源泉徴収が行われますが、以下で解説するように、その計算方法は少し異なります。

企業によっては、毎月の基本給を固定し、業績をあげた人にはボーナスという形で還元する、という欧米的な制度をとっている企業もあります。

「査定」があることが給与と賞与の違いだ、と考える方もいるかもしれませんが、月々の給与が査定で変更されているケースもあります。イメージとしては、「給与=固定して支払われる賃金」「賞与=臨時的に支払われる賃金」と覚えておけばいいでしょう。より正確に言えば、健康保険法上の定義で「三月を超える期間ごとに受けるもの」が賞与に当たるため、最高でも「年4回」支給されるものとなります。「年5回以上」支給される場合は賞与ではなく、給与となります。

賞与(ボーナス)に税金はかかる?~ポケットマネーの場合はかからない~

賞与には給与と同様に、税金がかかります。しかし、給与に対する税金とは異なる計算方法がとられます。専門的な言葉でいえば、「源泉徴収の対象になる」ということです。

ただし、業績を上げた個人に対して社長がポケットマネーという形で賞与を与えた場合などは、年間110万円を超えない限り贈与税の対象とはならないため、非課税になります。

また、独身者は6万8000円未満、扶養家族が一人いる場合は9万4000円未満、二人では13万3000円、三人では17万1000円未満の賞与には課税されないなど、金額が少なければ課税されないこともあります。

そのほかにも現物支給や、本来の業務とは関係のない遊興費など、広い意味での賞与や手当などのケースなど、非課税になるケースはいくつかありますが、最終的には税務署が判断することになります。ある報酬が賞与に当たるかどうかは、次の定義に当てはまるかどうかによって判断されます。いずれかに当てはまる場合、賞与とみなされ、税金が課されることになります。

  1. 純益を基準として支給されている
  2. あらかじめ支給額または支給基準の定めがある
  3. あらかじめ支給期は定められていない(雇用契約そのものが臨時である場合のものを除く)
  4. 法人税法第34条第1項第2号「事前確定届出給与」に規定する給与(他に定期の給与を受けていない者に対して継続して毎年所定の時期に定額を支給する旨の定めに基づき支給されるものを除く)
  5. 法人税法第34条第1項第3号に規定する業績連動給与

賞与(ボーナス)にかかる保険料・源泉所得税の計算

賞与からはまず、健康保険料、厚生年金保険料、介護保険料などの社会保険料が引かれます。加えて、源泉所得税が控除されます。賞与の保険料・源泉所得税の計算の順番は、以下の通りです。

  1. まず前月の給与から社会保険料などを引いた金額をもとめ、
  2. この金額と扶養家族の人数を「賞与に対する源泉徴収税額の算出率の表」に当てはめて「算出率」を割り出す。
  3. そして割り出した「算出率」に、賞与の全額から上記の社会保険料を引いた金額にかけて計算する。
前月の給与が支払われていなかった場合は?

上記の計算方法では、「前月の給与」が支給されていたことが前提になっています。前月の給与が支払われていなかった場合は、賞与の全額から社会保険料を引いた金額の6分の1を導き出してから、「給与所得の厳正徴収税額表」に当てはめて税額を決定し、それを6倍して源泉徴収税額を求めます。このほかにも、前月の給与の10倍を超過する賞与が出た場合などは、また別の計算方法が必要になります。

2. 賞与(ボーナス)の計算方法と求人の出し方

次に、賞与の計算方法や、求人広告への記載方法などを紹介します。一言で言えば、一般的な方法で、正確に書くことがポイントになります。

求人広告に賞与(ボーナス)はどう書くのが正解?

賞与の書き方は、「夏・冬 2回 計3.0ヵ月分」「年1回 前年度実績4.0ヵ月分」などさまざまですが、「回数」と「何ヵ月分支給されるのか」を正確に書くことが重要です。

応募者はまず「月給」に注目しますが、それ以上に「年収」も気にするものです。賞与の多さは年収にかかわってくるものなので、ごまかしたりすると、後々のトラブルになりかねません。賞与を求人広告に書く場合は、年に何回、どの程度の金額を支払っているのかを明記しましょう。また、求人広告だけではなく、賞与に関する規定を就業規則や労使協定にも記載するようにしましょう。

賞与(ボーナス)の計算方法

評価の基準が不明確であったり、金額の決定方法が明瞭でなかったりすると、労働者のモチベーションが低下する可能性があります。それを避けるためにも、賞与の増減に関する規定は、明確にしておいたほうがよいでしょう。

一般的に賞与は、月給の2~3ヵ月など基礎となる基礎給に、人事考課の評価率や出勤率などをかけて金額を決定します。評価率は、普段の業績や仕事に対する態度などを換算した率とすることが多く、出勤率は文字通り、実際の出勤日数を所定労働日数で割った数値となります。賞与の計算方法だけではなく、評価基準も明確にしておくことが望ましいでしょう。評価基準を明確にするだけで、業績があがった企業もあります。

賞与計算の具体例

では、賞与を具体的に計算してみましょう。「夏・冬 2回 計3.0ヵ月分」とあった場合、ここでは「計」と書かれているので2回合計で3ヵ月分ということになります。つまり、月々の給与が30万円だとすると、1回あたりの賞与は45万円、2回で90万円となります。ここに人事考課の評価が加わり、さらに高くなることもあるでしょう。

1回の賞与が45万円の場合、社会保険料などを引いた概ねの手取り金額は38万円ほどになりますが、扶養家族がいない場合は38万円×6.126%(前月の給与-社会保険料からもとめられた算出率)がかけられます。そうすると、35万7,000円程度が概ねの手取りになります。

手取り金額は従業員が最も気にする事柄の一つなので、給与計算の仕事にかかわる際は保険料・源泉所得税の知識を正確に把握しておくことが肝心です。

3. 賞与(ボーナス)について従業員に聞かれたら?~「同一労働同一賃金」の導入で質問される機会が増加?~

賞与は、人事考課の評価が反映されることも多く、評価基準を明確にしておかないと、従業員から不満が起こりかねません。「なぜ私はこの評価なのでしょうか?」と聞かれたときに、恣意的な評価基準を設けていると、すぐに応答することができません。そのため、評価基準は明確にしておく必要があるでしょう。

また、冒頭でも触れた通り、2020年4月から同一労働同一賃金制度が導入されるため、パートにも賞与を支給しなければならなくなるケースが増えてきます。パート社員に正社員と同じ仕事や成果を求める場合は、貢献度などによって賞与を支給することになります。今後、これまで賞与をもらっていなかったパートの方などから、賞与に関して質問される機会が多くなるかもしれません。賞与の支給基準を明確にしておくことは、リスク管理の意味で重要になってきますので、今から賞与の支給基準について、社内で準備しておくべきです。

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