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専門家コラム

第13回 給与計算の誤入力を修正するときの注意点

2015-05-11 テーマ:

今回は、給与計算を行った際に生じた入力漏れや入力ミス、計算誤り等を修正するときに注意すべき点について見ていきます。

給与計算は、個別の計算の積み重ねで最終結果になります。計算の途中で誤入力や計算ミスがあると、その後の処理をどんなに正しく行ったとしても、最終的な金額は誤ったままになります。そのため、給与計算の確認をする場合は、最初から順序よくチェックしていかないと何度も作業をやり直すはめになります。

また、ソフトを使用している場合によくありがちなのが、誤りを発見して1つの項目を修正すると他の項目の金額が連動して変わってしまうことです。勤怠の時間数や単価・金額を修正する前に、その修正がどの項目に影響を与えるのかを予測しておくと確認作業もスムーズにできます。

 

<支給項目の修正方法>

会社によって違いますが、一般的に給与で使用される項目には次のような項目に分類できます。

1)基本給

2)役職手当や家族手当などの毎月固定の課税対象の諸手当

3)通勤手当などの毎月固定の非課税の諸手当(勤務日数に応じて変動する場合も同様に考えて構いません)

4)時間外手当や遅刻早退控除、欠勤控除などの勤怠実績による手当

5)旅費交通費などいわゆる経費の精算金

 

1)~4)の基本給や手当の金額を修正する場合や、4)の金額に影響を与える勤怠の時間数を修正する場合などは、支給総額により算出する雇用保険料を再計算しなければなりません。一方で、健康保険料や厚生年金保険料は支給金額とは関係ないため、修正前と同額のままになります。

次に、課税対象額を再計算します。基本給や諸手当の金額が修正され、雇用保険料も変更になっていますので、この分の金額が動いているはずです。その結果をもとに所得税の金額を変更し、最終支給金額を再計算します。

 

3)の通勤手当に関しては、非課税部分と課税対象になる部分があります。しかし、非課税部分だけの修正であっても、雇用保険料が変更になるため、課税対象額に影響を及ぼします。

そのため、たとえ非課税の通勤手当だけを変更する場合でも、所得税の再計算が必要になるので注意しましょう。

 

なお、5)の精算金は、社会保険料や所得税には影響しないため、精算金を修正した額だけ、最終支給金額も変動します。

 

<所得税に影響を与える控除項目の修正方法>

1)健康保険料、2)介護保険料、3)厚生年金保険料、4)雇用保険料、および

5)前月以前の1)~4)の社会保険料の修正である「社保調整額」、については、それぞれの金額を変更しても支給項目の金額には影響はありません。

しかし、課税対象額には影響を及ぼすので、社会保険料の金額に修正があった場合は課税対象額の再計算が必要です。

この計算結果をもとに所得税の金額を変更し、最終支給金額を再計算します。

 

<その他の控除項目の金額の修正方法>

1)所得税、2)住民税、3)寮・社宅費、4)財形貯蓄、などのその他の控除項目は、

支給項目はもちろん、課税対象額にも影響を与えません。

そのため、各項目の金額の修正した額だけ、最終支給金額も変動します。

 

<最後に>

今回は、給与計算時の修正方法がその後の計算にどのように影響するかを紹介しました。給与計算の仕組みを十分理解していないと、せっかく勤怠時間や支給金額の入力漏れや入力ミスを発見して修正したにもかかわらず、その後の社会保険料・雇用保険料・所得税が正しく修正できておらず、結果的に最終支給金額が間違っていたり、再チェックが必要になるなどのケースが起きてしまいます。支給金額を修正した場合は、どの控除項目が変動するのかという仕組みをしっかりと理解する必要があるでしょう。

人間が行う作業にノーミスはあり得ません。給与計算での入力ミスが生じないように最大限努力していくのは当然ですが、確認と修正作業を手順よく行うことにより、最終的には正しい給与データが作成できるようにしましょう。

それでも計算ミスが起きたり、確認作業を含めて給与計算業務に多くの時間を費やすようであれば、給与計算をサポートしてくれる人事給与アウトソーシング(ペイロールアウトソーシング)S-PAYCIALの導入や税理士・社会保険労務士などの専門家へのアウトソーシングの活用を検討してみてはいかがでしょうか。

 

鈴与シンワート株式会社 人事給与アウトソーシングS-PAYCIAL担当顧問
経営者の視点に立った論理的な手法に定評がある。
(有)アチーブコンサルティング代表取締役、(有)人事・労務チーフコンサル タント、社会保険労務士、中小企業福祉事業団幹事、日本経営システム学会会員。

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